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焼酎サーバーをつくってみました。 [陶芸]

 今回は備前焼で焼酎サーバーの自作に挑戦してみたいと思います。備前焼で作った焼酎サーバーは焼酎の味を良くすると聞きますが、どう良くなるのか気になるところです。個人の見解ですが、他の花瓶と比べて備前焼の花瓶は水が腐りにくく、花が長持ちすることを確認しています。備前焼は遠赤外線を放出しているということで、その効果らしいのです。
 4年前にネット通販で焼酎サーバー用のコックを買っていたのですが、いざ本体を作るとなると腰が引けて、そのままになっていました。理由は、コックを取り付ける穴の作り方がわからないことでした。粘土は乾燥と焼成で縮みます。コックを正確に固定できる穴の空け方がわからないという問題があったのです。大きすぎるとぐらつく、漏れる。小さすぎると入らない。これは難しい。
 最近は焼酎サーバーの価格もお手頃になってきました。形もいろいろなものが流通しています。しかし、昨年挑戦した備前焼鋳込みのビアマグも、自分で作ったからこそビールを味わい深く楽しめるのだと思っています。仲間を呼んで飲むときも、自作であればこそ話のネタになり、楽しめるではありませんか。
 
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 これが焼酎サーバー用のコックです。長さが8センチ、高さが5.5センチもあります。これを取り付ける本体の大きさはどのくらいがバランスがよいのか?これも難しい。 
 サーバー本体の高さは20センチ以内の物がよく売れているようです。しかし、これを取り付けるには最低限サーバーの中に手が入らないとねじを締めることができないので、ある程度の大きさは必要ですし、一人で使うので小さいほうがいいという気持ちもあり…どうすれば?
   
ろくろ挽きをします。
 
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 備前土2号を使用することにします。昨年購入したままで放っていたため、固くなっていました。十分練ってからろくろに据えました。
  大きさは直径20センチの鏡餅大でやってみます。
 ろくろを回しながらこぶしで叩いて内側をへこませていきます。同時に外側からも叩いてきれいに形を整えます。 
     
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 まず、底をしっかりと締めて、筒状に引き上げます。この時濡らせたスポンジを両手のひらにひそませて作業すると、水が切れることがないので便利です。
 高さは25センチくらいまで引き上げておきます。徐々に膨らみをつけて壺状にします。
 円筒形の方が作りやすいし、穴の問題も解決しますが、小型でできるだけコックとのバランスがとれるように、この形にしました。また、口の部分はラップをかけて輪ゴムをで止めようと思っているので輪ゴムがかけやすいような形にしておきます。
     
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 ちょうど良い大きさのガラス瓶のふたがありましたので、これを柔らかいうちに押し付けて、コックを取り付ける部分をへこませます。
 半乾きになったところで、少し技術が要りますが底削りをし、コックのねじのサイズで穴をあけておきます。乾くと穴は小さくなり、焼くとさらに小さくなるので、いったん素焼きにしてから穴を広げたいと思います。
     
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 仮にコックを取り付けて、水平になるように調整しました。ちょうどいい角度に固定して、粘土が固くなったらはずします。
 半乾きの時にやりましたが、タイミングを外すとひびが入ってしまうので本体の厚みは十分にとっておいた方がよいと思います。
 持ち上げて使うものではありませんから、全体を同じ厚みにしておけば多少分厚くても問題はないと思います。ある意味で初心者でも作れるでしょう。 
     
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 蓋を作ります。本体を作った時に、口の外径をはかっておき、今度は内径にその大きさを合わせて成型します。
 蓋の縁はやや内向きにすぼめておくと本体と合わせた時にがたつきがなく、おさまりがよいようです。
 しかし、いかにすり合わせよく蓋ができても、そのまま使えば焼酎のアルコールは蒸発してしまうでしょう。においも気になります。そこで本体の口にラップをかけて輪ゴムで止め、それを隠すための蓋にしようという計画です。
 とりあえずここまでで十分に乾燥させます。 
     
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 無事、素焼きが完了しました。少し厚みがあるので乾燥状態が気になっていましたが、よく乾いていたようです。本体は、電気窯「プティ」になんとかおさまる高さだったので助かりました。
 いつものように松灰にふのりを加えて水で溶き、スプレーガンで吹き付けました。うっすらと吹き付けるくらいが焼き上がりがよいのですが、少しかけすぎたかもしれません。
   
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 厚さ2センチの杉板を加工して、焼酎サーバーを乗せる台を作りました。台がなければ使えないことは、誰にでもお分かりになることでしょう。
 ジグソーを使って切断しました。この2枚を組み立てて作ります。着色してワックスを塗りました。ワックスは控えめなつやが出るので落ち着きます。 
     
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 本体は、うまく焼き上がりました。焼成温度は20度です。電気窯で松灰という焼き方がはたして備前焼といえるかどうかわかりませんが、自分で気に入れば趣味の陶芸としては十分だと思います。
 コックをとりつけたところ、水を入れて様子を見るとわずかに漏れていました。そこで、内側のねじの部分と、外側のワッシャーとコックの隙間に、水道の水漏れ修理に使う「シールテープ」を巻きつけて締めなおしたところ、水漏れは止まりました。 
     
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 焼酎を入れた後、ラップをかけ、輪ゴムで止めます。
 次にラップにつまようじかなにかで穴を5つ空けておきます。そうしないと空気が入らない分、焼酎の出が悪いようです。
 ふたをして完成です。
   
serverz2.jpg  コックとサーバー本体のバランスですが、思ったより悪くないようです。高さは17センチほどに焼け締まりました。小型とはいえ、焼酎が楽に1.8リットル入ります。
 さて、焼酎の味についてですが、入れてから2~3日寝かせると聞きますから、そのようにしてみます。
 話は変わりますが、このようなものを堂々とリビングに置くのは、アル中の原因になりはしないでしょうか?たとえば高級そうなビンに入ったブランデーなどがリビングのサイドボードなどに置いてあっても、昼間から手を出そうという気になりませんが、焼酎はどうでしょう。怪しいものです。
 それならばこの焼酎サーバー作りには美意識を持って取り組み、インテリアとして部屋の雰囲気を豊かにする風格のある作品に仕上げることが肝要かと思います。 

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