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松灰による電気窯での備前焼に挑戦 [陶芸]

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部屋にこれだけのスペースがあればOK
 
 今回はいよいよ松灰を使って、しかも電気窯で備前焼に挑戦します。さて、上の写真ですが、これが私の陶芸スペースです。屋外には丈夫な工作台もあるのですが、夏場は暑いうえに蚊の集中攻撃を受けるので、もっぱら室内で楽しんでいます。
 ご覧の通りわずかこれだけの小さなシートの上でろくろを挽いています。狭いがゆえに汚さない努力ができるのだと思います。広い場所ですと、動きやすいですが、気が付いた時には片付けに覚悟がいるほど汚してしまい、かえって大変なのではないかと最近思っています。
 
nigou11.jpg nigou211.jpg  左が備前土2号です。前回の緋だすきでは、備前土1号を使いましたが、色が違って、黄土色です。以前これに山土のブレンドされたものを使ったことがありましたが、赤黒く焼きあがったのを覚えています。
  おそらく同じようになるのではないかと期待してやってみることに。
 
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 登り窯では松灰は空中を乱舞しながら真っ赤に焼けた素地に付着していきます。それが長時間繰り返されることによって自然釉となります。
 ところが、電気窯ではそうはいきませんから焼成前に素地にふりかけて焼きます。
 垂直な部分はうまく定着しないかもしれません。したがって、皿のような形がよいと考え、サラダボールをまず一つ。
 
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 やはり夏は乾燥が早いです。少々分厚いのですが半日で底削りまでいきました。備前の皿や鉢はあまり薄づくりにすると弱々しく感じるので縁だけでも厚くするようにしています。
 落款もきれいに押せました。作ってよかったと思います。なんとなくプロになった気分ですね。
 
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 浅めの皿を作りました。やはり縁は厚めに土を引き上げておきました。いつもならこの程度の作品は5ミリ厚で挽きますが、やはり備前はどっしりと風格を持たせたいので8ミリくらいの厚みにして縁は12ミリくらいにします。すると、見た目より軽く感じる器にできます。
 どっしりと力強く見え、そして実は軽い。そんな作品ができるといいです。
 
 厚めに作りましたが、乾燥させると少しばかり薄くなり、径も26㎝で作ったのですが23センチになりました。炻器ですから焼くとさらに縮むでしょう。
 以前穴窯で備前を焼かせてもらったことがありましたが、窯出しで、出てきた作品の小ささにがっかりしたことがありました。できれば大きめに作りたいものです。
 しかし、我が家の小型電気窯「プティ」 は内径が24センチなので、直径23センチの作品でも自分の指がじゃまになって窯入れに苦労します。
 今回は備前焼?ではありますが、土灰と松灰をスプレーガンで吹きつけてから窯入れしようと思っているので剥落しないかすこし心配です。
 
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 よく乾燥させた後700度で素焼きをしました。直径23センチの作品が4個できました。やはり窯入れの時、両手で持って入れることはできませんでした。  
 素焼きは問題ないけれど、施釉後は大丈夫かな?
 
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 ろくろに乗せ、丸く切った紙を糊で貼りました。スプレーガンを使うのでただ乗せただけでは吹きとんでしまうからです。これで牡丹餅ができる予定なのですが...。
 実に邪道というべき方法ですが、素人の楽しみですから許してもらいましょう。
   
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  松灰は茶こしで振り掛ける程度の経験しかありませんので、どのくらいの厚みに吹きつければいいのかわかりませんから、今回は紙の厚みくらいにしておきました。
 スプレーガンで全体に均一に吹きつけておいてから、一部厚めに吹きつけました。どう焼きあがるのか実験です。
   
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 紙を剥がしました。糊が強かったのか剥がれにくくて困りました。ないよりはましな模様ですが、単調すぎます。
 エッジがはっきりしすぎているのが実にわざとらしい。うまくいってほしいのですが。
 
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 見ての通り「プティ」の内径は24センチなのでギリギリです。ろくろ引きで直径26センチ以下に作っておけばOK。なんとか入りました。
 どうなるかわかりませんが藁も乗せてみました。1230度で焼きます。珪砂というものがないので棚板にはしっかりとアルミナを敷いておきました。  
   
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  焼きあがりました。それらしくは見えますが、土灰が多すぎたのでしょうか、とにかく艶がありすぎて気に入りません。藁のおかげでしょうか牡丹餅の部分に軽く還元がかかり、緋色と紫蘇色がでています。これは良いですが。次回は土灰なしで試します。  
 素人が、電気窯で、しかも1回目で成功するはずもありませんね。再チャレンジします。
   
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 第2弾です。松灰はいい感じにかかりました。かわりに今回は火ぶくれができてしまいました。1230度では大丈夫かと思っていたのですが...。電気窯はやはり登り窯に比べて昇温が早すぎるのかもしれないし、紫蘇色も出ていないのでやはり還元が必要なのでは?
 実に悔しい!、この悔しさは癖になりそうです。そして我々は陶芸にはまっていく。
   
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 予想通り10℃下げて1220℃で焼成したところ、火ぶくれはできませんでした。自分の窯や使っている粘土に適した温度が少しずつ判明していきます。
 吹きつけた松灰がよく乾燥してから、刷毛でなでてやると右側の写真のような効果がでました。 
 
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 前回鋳込みで作った蕎麦猪口と薬味皿に松灰を吹きつけて焼きました。土は備前土1号です。白っぽい素地に松灰ですが、いい感じに焼けました。
 鋳込みに時間をかけて、やや厚く作った作品です。皿の変形はありませんでしたが、猪口の方はなぜか少し歪んでいました。
 備前焼は周到に計算して取り組まないと、まず成功しないということがわかりました。経験を生かし、データを取って実験を重ねたいと思います。

タグ:陶芸
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