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自宅で陶芸をしましょう [陶芸]

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部屋にこれだけのスペースがあればOK
 
 自宅で陶芸をする。これは魅力的です。仲間と陶芸教室で活動したこともありましたが、家庭の事情や仕事で日程があわない、個人的に制作意欲がわかない、作品作りの資金がないなど、それぞれの都合で集まれなかったり、自分が使いたいときに誰かが道具や材料をを独占していたりするなど、問題が山積みでした。
 作品を批評しあうのは刺激になってよいのですが、結論からいうと、楽しく自分の気に入った作品を焼き上げられれば良いわけで、自分のペースでできるのが一番だと思うのです。それには自宅が最適なのですが、作業場所や窯やろくろなどの設備をそろえるのが難しく感じられ、自宅で日曜陶芸家を目指す方は日々夢と現実の間をさまよい、悶々としています。しかし、実は難しくないのです。
 
道具は自作で安くそろえよう
 
 私はアパート住まいのころから少しずつ道具を集めていきました。中古品をさがしたり、へらやこて、たたら板やカメ板、などは自分で作り、延べ棒は100円ショップで手に入れました。
 
 右の道具は作業終了後、ろくろから粘土をはがす時に必携。簡単に作れます。細い部分を握り、粘土を押しはがします。これがないと後片付けが大変。
 厚さ2センチの板で、素材はラワン材が丈夫で適しています。
 先端(前部)はカーブをつけて尖らせると使い勝手がよいです。ホウの木や、杉材、合板では耐久性に問題があり、すりへったり、ひびが入って割れてしまいます。 
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 一番上は箸の先にスポンジを針金で縛りつけたものです。ろくろ引きで作品の中にたまる水を取り除くのに使います。
 その下はろくろ引きで作品のふちの高さを整えたり、板づくりで粘土を切るときなどに使う針です。箸の先をカッターなどで割り、縫い針を挟んでから配線用のタイラップで締め付けて作ります。
 その下は壊れた傘の骨を使い、先をとがらせて作った小穴をあける道具です。急須の茶こし部分を作るときに、うまく穴をあけられます。 
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 ホームセンターで極細のワイヤーと細い木の棒を購入し、粘土を切るための道具を作りました。
 木の棒に細い穴をあけ、ワイヤーを通した後、真鍮の釘を挿して、ワイヤーを釘に巻き付け金づちで打ち込んで完成。既製品を購入しても安いのですが、消耗品なのでたくさん作りました。結果、単価がかなり安くなりました。
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 自作のコテ、ヘラ、櫛です。櫛は竹の合板で作りましたが、糸鋸で切ったところ、まっすぐに切れにくいのでので苦労しました。バンドソーを使えばおなじ間隔で切り込めるようです。
 コテのたぐいは、ベルトサンダーがあればすぐにできますが木工やすりでも簡単に成形できます。材質はホウの木で十分です。木目を良く考えて折れないように作りましょう。
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 石膏型の管理ですが、せっかく気に入ったものができても使ううちに型が甘くなっていきます。いいのができたときは、必ずシリコンゴムで型を保存しておきましょう。何度でも再生できますし、陶芸教室などを開くことなどを考えている方は、これによって大量に型を複製できます。たとえ購入した物であっても、第3者に販売・譲渡しない限り犯罪には当たらないでしょう。商品のコピー販売・譲渡は犯罪です。
 上が原型で下がシリコンゴムで取った型です。これはコーヒーカップの取っ手ですが原型の周りを油粘土で囲んでシリコンゴムを流し込み、数時間放置することにより、簡単に取ることができました。
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 石膏で粘土の原型から型をとりました。テストピースを作る型です。粘土を押し込み、数秒時間をおいて取り出せばテストピースができます。釉薬の調合を実験するためには必要です。短時間で数百個同じ型の物ができます。
 右下の写真がテストピースです。釉薬を調合してから記録をとっておき、番号をつけます。
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 右が素焼きの状態で、上部の厚い部分に調合した釉薬の番号を呉須などを使って筆で記入します。
 下部の広い部分に調合した釉薬を塗ります。左が焼きあがった状態です。当然焼成温度・時間・酸化還元のデーターも残しておきます。
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 乾燥した粘土を再生するための石膏製粘土給水鉢も買えば5千円もしますが、台所にあったボールを型にして石膏で作れば5百円でできます。10万円以上する土練器など、個人購入は無理なので、この石膏鉢は必需品です。
 大きなボールに半分くらい石膏を溶いたものを入れてその上から水を入れて重くした小さいボールを押し込み、石膏が固まったら外して完成です。前もって離型剤(カリ石鹸)を塗っておき、乾燥させてから石膏を流し込み、1時間後、木づちでボールを軽くたたけば簡単に外れます。
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 固くなった粘土はカラカラに乾かしてから水を入れたバケツに入れておきます。するとどんどん崩れていき泥状になります。それを石膏鉢に流し込み、1昼夜放置して、指で押さえてやや固めになっていればOK。
 水分が抜けておれば、鉢ごと裏返すと粘土だけがストンと落ちます。そこから荒練り、菊練りをしてビニール袋へ保存しましょう。
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 もし柔らかすぎる場合は馬蹄形にして少し乾燥させてから練り直しましょう。まだ少し柔らかいかな?というあたりでしっかりと練っておきます。
 練り終わってからビニル袋へ入れたら数日寝かせます。すぐさまろくろにかけても良い結果は得られません。
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小型電気窯「プティー」を購入  
   
 窯は最近シンポ工業の「プティ」を値切って15万円で購入しました。これはお買い得でございました。人気商品となり、現在22万円くらいでの販売となっています。
 20年前に購入した小型電気窯はマイコン制御で当時30万円もしたのですが、どうしても1230度の昇温ができません。問い合わせたところ、きっちりと100ボルトの電気を流さないと1230度以上に昇温しないということなのです。知らなかったのですが、当時、自宅の家庭用コンセントでは96ボルトくらいしか得ることができなかったのです。とうとう小型のトランスを購入するハメに。
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 「プティ」は内径が24センチと小型電気窯の中では広く、これも温度が上がるのかどうか心配の種ではありましたが、問題ありませんでした。1280度は余裕で昇温します。マイコン制御で使い勝手は実にいい感じです。独自の昇温プログラムも組めます。しかも以前の物より格段に軽く、取っ手もついて運びやすい。通販でも売っていますが、このような消耗品?はアフターケアが大切だと思い近くの陶芸材料店から購入いたしました。
 
プチ陶芸の必需品
 
 グット電機製の小型電気ろくろです。重さは24㎏で、テーブルの直径は25㎝、「プティ」と相性の良い大きさです。
 レバーによる無段階変速です。素人が趣味で使うには十分な大きさとパワーです。ドベ受けがついているのでリビングで普通に使っていますが振動でドベ受けが音を立ててうるさいのでつなぎ目を布テープで留めたところ解消いたしました。
 掃除も楽々、ドベ受けは劣化しにくい素材で作られています。
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 ナカトミの オイルレスコンプレッサー CP-100です。
 定格時間: 15分、吐出量:毎分30L、タンク容量:6L、設定力:0.68Mpa(7kgf/平方cm)です。
 小型ながらパワーは申し分ありません。ただ音がかなりうるさいですね。
 ダントツ安かったので約8千円で購入。ただ、タンクが小さいので空気圧の低下が早く、作業が止まってしまいます。しかしそのことで、吹きつける最中に釉薬が流れてしまわないため、むしろ好都合かもしれません。
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 同じくナカトミのエアー4点キットAK4-2です。
 スプレーガンにタイヤチェッカー、エアーダスター、ホース付きで約3,500円にて購入。
 上の写真のコンプレッサーと使っていますが、濃いめの釉薬も詰まることなく吹きつけることができています。
 スプレーガンも色々使いましたが、目詰まりがないのはこれが初めてでした。広範囲に噴射できますので釉薬をきれいにかけることができます。 
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 くろは以前使っていたものが古くなって、ドベ受けも割れてしまったため、とある施設に寄付しました。というのもドベ受けだけ購入しようとしたところ、生産中止になっていて、手に入らなかったためでした。私の場合はリビングで使うという目的がありましたので小型にこだわりがありましたし、ドベ受けは必要でした。本当は大型がほしいのですが、部屋を汚くしないためには持ち運べる小型に限ります。いつもはクローゼットに収納しています。
 エアーコンプレッサーとスプレーガンは趣味の陶芸家には必需品だと思います。多少釉薬が無駄になるように感じますが、私のような素人は釉がけの失敗で8割がた作品をだめにしてしまいます。吹き付けは屋外か風呂場でやっています。
 購入については通販でまとめ買いがお得です。しかし、この手の商品は同じものでも価格の差が店によって激しいので、よく調べないと大変な損をしてしまいますから要注意です。

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