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七宝焼きのガス窯を手に入れました。 [陶芸]
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七宝焼きの窯を手に入れました。 [陶芸]
今回は、絵付けに使うため、七宝焼きの窯を格安で入手しようという長年の野望に挑戦いたします。炉内の高さが10センチもあれば本焼きをしておいた小皿や茶碗などに絵付けができます。当然楽焼もできます。七宝は趣味ではありませんが、20数年前に買っておいた材料や絵の具を発見したのでとりあえずできます。タイルの絵付けなども手軽にできると思います。 何よりよいのは通常40~50分ほどで800℃に昇温できるので、電気代が節約できるということです。 |
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ネットオークションでこの窯を手に入れたのですが、なんと2900円で落札に至りました。なぜ、競争相手が低い金額で手を引いたのか?自分は商品の写真を見た限りでは、かなりの美品で、なおかつ炉内の寸法も十分なのですけれど。 確かにかなりレトロな雰囲気です。実際送られてきた段ボールを開けるとき、少し不安が…。 ネットの相場では、古い型でも美品となると最低1万円というところなので、6000円は出してもいいなと思っていました。 さて、その実態は? |
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ふたの部分は塗料が剥げたり浮いています。のぞき穴の当たりも傷が目立ちます。しかし、割合と損傷の程度が低いようです。あまり使用頻度も高くなかったのでは? 上部に擦り傷、側面に塗料の変色が見られます。下部の緑色の塗装は、ほぼ無傷でした。 |
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内部です。綿埃のように見えるのは断熱材です。床の部分の左方に溶けたガラスが少々付いていますが、ほぼ無傷です。 実はこのように電熱線が取り替えられるタイプの物を探していました。電熱線は消耗品なので、この種の自分で電熱線を修理できるものが都合がよいのですが、最近はカートリッジ交換の物が多いです。ホームセンターで売っているニクロム線で交換すれば、かなり安く修理できます。 |
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裏を覗くと上と左右に碍子管を通して6本の熱線が出ています。これらをスイッチの切り替えで3段階に昇温調整ができるようになっていますが、実に簡単な構造ですから、誰でも修理できます。しかし、きれいなものでした。もっと焼けているのかと思っていたのですが。 他のコードはパイロットランプにつながっています。一番後ろの線は熱電対から温度計へとつながっています。 |
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左が昇温をコントロールするスイッチです。この写真では見えませんが、下は磁器製です。やはり年代ものです。右は温度計です。やはり古めかしいですが、ここまできれいだと、かなりオシャレに見えます。 なんかすでに満足感が。 |
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だいたいK式の熱電対とミリボルトメーターのセットでも3~4万円くらいかかるものを、こんなにきれいな状態で2900円とは ?何かあるにちがいありません。熱電対が折れているとか、熱線が切れているとか使い込んで酸化しているとか細くなっているとか。 以前やはり七宝焼きの窯を修理したことがありましたが、3時間以上かけても500℃までしか温度が上がらず、その辺の店で電気コンロ用のニクロム線を買ってきて古いものと交換しました。古いニクロム線は外す時にボキボキと折れました。通電すると、40分ほどで800℃に昇温いたしました。 陶芸窯の熱線は40回~100回の使用で本焼きの目標温度に昇温できなくなります。できるだけ温度を上げすぎないように、最高温度は短時間で終わらせることが熱線を長持ちさせる秘訣なのだそうです。 |
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なんと200ボルトのプラグが付いています。しかし本体は100ボルトです。七宝焼きの窯が200ボルトなどということはありえません。もしかして、オークションの競争相手はこれを見て勘違いをしていたのかも。 分解すると電線は2本つながっているだけでした。おそらく電源を取るコンセントの形状にあわせて付け替えたのでしょうが、なぜ100ボルトでこの形状のコンセントなのか。アースを取っているわけでもないのですが。 |
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以前ネットでアンプを購入しましたが、タバコのにおいがひどかったので分解してマジックリンで洗ったことがありました。茶色い汁がドロドロと出ました。 3日ほど外で乾燥させてから電源を入れると、何の問題もなく動きました。それ以来、ネット購入の電化製品は洗っています。 この窯はICとか基盤とかを使っていないので、迷うことなく洗いました。これで我が家の一員となれます。しかし、レンガは乾くのに1週間はかかるでしょう。 |
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ついでに分解掃除と塗装をします。分解して確信を持ったのですが、この窯は数回しか使っていないようです。ねじが数本錆びついていました。 窯は温めると外枠に水滴がついて、錆の原因になるのですから、ステンレスのねじがよいのですが、当時値段が高かったのかなあ。 しかし、このレトロな感じが気に入ったので、本気できれいにしてみます。ちょっとしたインテリアとして置いておけるレベルにしてみます。 |
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やはりここで「ねじザウルスGT」の登場でした。錆びて回らなくなったねじや、ねじ山がつぶれたねじも、こいつでくわえて無理やり回転させます。 2本ねじ切れてしまいましたが、想定内の損傷でした。古いねじをすべてステンレスのねじに交換します。 |
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電源プラグを交換しました。ホームセンターで170円で買いました。やはりこれのほうがしっくりときます。 右は耐熱塗料です。1500円くらいでした。500℃まで耐えることができるそうです。高温で焼きつけると完全に定着するそうですが、高温になるのは一部なので、普通に吹き付けます。 |
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炉の底の板を取り出しました。七宝焼きの窯はどうしてもこうなってしまいますが、きれいにしようとすると、板が欠けてしまいます。 ここでは丁寧に磨いて、本サイトの「棚板の補修」で紹介したアルミナコーティングで修理します。こうしておけばガラスが溶け落ちてもアルミナの層が保護してくれます。 |
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見違えるようにきれいになりました。本当は1100℃で空焼きすれば定着するのですが、本体が縮んでしまい、組み立てられなくなるのでいけません。 しかし、ただアルミナを塗ったのでは、流れたガラスから本体を完全に保護するのに力不足なので、これでよしとします。触ったくらいではとれませんから。 |
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塗装が終わりました。問題はねじの壊れた部分なのですが、ふたのねじ穴を耐火パテでうめて、塗装することにしました。熱による鉄板の変形が予想されますが、下の部分なので案外大丈夫かもしれません。 組み立てました。炉床部分もきれいになり、新品のようです。 |
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取っ手や切り替えスイッチもピカールでみがき、ねじも全部取り換え、きれいになりました。昔の特撮映画に出てくる正体不明のマシンのようになり、個人的には満足です。ねじは外せるようにしたので、今後ニクロム線の交換も塗装のやり直しも簡単です。
さて、電源を入れてためし焼きです。やはり水洗いの時の水分が抜け切れておらず、蒸気が当分出ていましたので、ふたを開け、200℃を1時間ほどキープして温めました。しかし、せっかく塗りなおした前の面が変色してしまいましたので、再び塗装しなおしに。
昇温速度も普通で、800℃に上がりました。熱線もほとんど劣化していないようです。
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