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棚板の補修 [陶芸]

 最近棚板の補修をしました。今までは釉薬が流れて棚板についた場合ディスクグラインダーで削り落としていましたが、新品はカーボランダム製の棚板の表面は美しくアルミナでコーティングされています。その状態に戻すことは無理だと思っていました。棚板に水で溶いたアルミナをぬって補修をするものだと思っていたからです。したがって棚板の表面はグラインダーで削られ、がたがたに。これでは作品を水平に置くことができません隣の作品や炉壁に当たってしまいます。
 
arumina11.jpg  ところがこれは私の勉強不足で、アルミナは炉内の保護に使うもので、焼いても粉です。棚板をもとのように復元するには「アルミナコーティング」(写真右)を使えばよかったのでした。     
   棚板の傷やへこみが埋まるように刷毛で塗っていき、乾かしながら紙やすりでフラットに削る作業を繰り返し、あとは窯に入れて1200度以上で焼いてしまえばあら不思議。完璧に新品同様になりました。カーボランダムの棚板はまず割れることがありませんから、このアルミナコーティングさえあれば何度でも美しくよみがえるのです。
   
重傷の場合のはつりかた
t11.jpg t21.jpg
 ご覧のとおり棚板の上に大量の釉薬が焼きついています。ここまでくるとタガネではつるにも根気が必要です。  
   ディスクグラインダーにダイヤモンドカッターを取り付け、少しずつ削っていくと、アルミナコーティングも削れますが、焼きついた釉薬をきれいに剥がせます。
     
   ディスクグラインダーはカッターの側面を棚板の焼きついた釉薬の部分にかすらせるように当てながら、カーボランダムを傷つけないように慎重に削っていくと3分くらいで写真のようになります。
 
軽傷の場合のはつりかた
 
grainder1.jpg tanaita11.jpg
 ドリルの先にやすりを取り付けて必要最小限に釉薬を剥がします。  
   右は、ついてしまった釉薬を剥がした状態の棚板です。もともと塗られていたアルミナコーティングも剥がれて、カーボランダムの色が黒く見えていますね。
 カーボランダムは非常に固く、グラインダーで削ったくらいでは損傷しないと思いますが、万が一のことを考えてアルミナコーティングを全部剥がさないで補修することにします。
   
tanaita21.jpg tanaita31.jpg
 アルミナコーティングです。
 液状ですが沈殿していますので、とりあえず蓋をしたままよく撹拌します。次に筆などをつかって、容器の底からしっかりと混ぜます。
 
tanaita41.jpg tanaita51.jpg
 必要な量を取り出して、乳鉢で丁寧に塊がなくなるまで擦ります。

 剥落してへこんでいる部分に筆を使い盛り上がるくらいにアルミナコーティングを塗っていきます。
 
tanaita61.jpg
 表面がでこぼこになっています。ある程度乾燥させてから耐水ペーパーで気長に磨き、表面をフラットにしていきます。

 
 
 tanaita71.jpg  tanaita101.jpg
 
 ある程度平らになってきたら、刷毛で厚みが均等になるようにアルミナコーティングを塗り重ね、乾燥させては耐水ペーパーで磨くという作業を繰り返します。
      
 右が完成した状態です。少々凸凹があっても問題ないのでしょうが、使っていて気持ちがいい方が好きです。十分に乾燥させてから1200℃以上で焼けば補修は終了です。

タグ:陶芸 棚板
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